序盤の大分の攻撃は、実に魅力的だった。それが90分続かないのは監督の責任ではないとも言えるのだが、そんな選手層であるにも関わらず「走る、鍛える」というアプローチしかないのだから、責任の一端はあるだろう。そして、選手起用と配置についても疑問を感じる。
実質的に1トップでありながら、伊佐はサイドに流れてしまう。ゲームメイクに絡んだまま、センターを空けてしまうのだ。そして、あろうことか田坂監督の交代策は0トップ。伊佐を風間に代えてしまったから、ゴール前で可能性を切り拓くタイプがいなくなってしまった。「走る」ことを過度に重視し、流れを変えられない選手起用しかできないのでは、先制されると辛い。
湘南 4-0 大分(得点:大槻、遠藤、岡田、ウェリントン)
<GK>
武田 :5.5 大きなミスはなかったが
<DF>
岩武 :5.5 攻撃では貢献も、リスクの大きい選択をしてしまう
阪田 :5.5 最初の失点は寄せ切れず
高木 :5.5 好守あるも、相変わらず不用意な守備
チェ :5 思い切り悪く精度もない
<MF>
末吉 :5 守備で後手に
伊藤 :6 ポジショニングよし
為田 :5 余計なプレー多くボール失う原因に
松本怜 :6 スタミナの問題
<FW>
松本昌 :5 パスのセンスが皆無
伊佐 :4.5 サイドに流れ過ぎ
<SUB>
木村 :6 終盤に攻撃の起点に
風間 :5 不慣れな役割で存在感なし
西 :5.5 突破シーン見られず
<監督>
田坂 :5 考え過ぎて無意味な0トップ
監督が頑固一徹で「スパルタ教師」タイプである一方、大分の選手たちは「良い子」が多い。湘南の曺貴裁も同様にスパルタだが選手はもっと反骨心にあふれている。このあたりが大分の限界に影響しているのではないだろうか。コントロールしやすい生徒を無策な教師が意のままに動かしている体制では、突破口が見えないのだ。