【映画】モンスター・ホテル

これもニューヨークへ向かう機内で見た作品です。原題は「Hotel Transylvania」で、ドラキュラことブラド公の居住していた地域の名称が使われていますが、さすがに日本では知名度の低い地名なので「モンスター・ホテル」という邦題も仕方ないところでしょうか。

この手のアニメを見ていつも感じるのは、表情描写の巧みさ。日本のテレビアニメはいかにも作り物っぽい表情ですが、本作でメイヴィスが見せるためらいの表情にはゾクゾクするものを感じます。ピクサーの「レミーのおいしいレストラン」でも、リングイニやコレットの表情はとても印象に残っています。ソニーピクサーも、ある意味同じようなアプローチになっていますが、これは恐らく顔認識から変換させるアルゴリズムが似ているということなのでしょうね。エンドロールに流れるアニメは完全に「日本のテレビアニメ」的な作画なので、本編との違いが興味深く感じました。

ドラキュラの声を原作ではアダム・サンドラーが、そして日本語版では声優の山寺宏一が担当しています。一方、主役クラスのメイヴィスに川島海荷、ジョナサンに藤森慎吾を起用していて、ある意味「人気や話題性優先」にも見えなくはないキャスティングではありますが、雰囲気的にはとてもよく合っていたと思います。それよりも怪物たちに方言のような口調をさせていた点に、古臭いステレオタイプな印象を受けました。日本の映画界には、「こうすべき」という暗黙の常識が多すぎます。何も考えずに過去を踏襲していては、クリエイティブな作品など作れませんよね…

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