【東京都美術館】メトロポリタン美術館展

東京都美術館で土曜日に開幕した「メトロポリタン美術館展」。ニューヨークのMETも訪れたことはありますが年末だったせいか大混雑で、エル・グレコ展を大渋滞の中で鑑賞した記憶があります。METにはフェルメールのマスターピースなども所蔵されていますが、今回来日したのは比較的地味な作品が中心です。

展示は描かれたモチーフのジャンルごとにまとめられていますが、これは作品の雰囲気を味わうには不向きで、僕はあまり好きではありません。ただ、それほど知名度はなくても魅力的な作品が並んでいるので、レベル的には十分満足できます。レンブラント「フローラ」のコントラスト、ミレー「麦穂の山」の迫力ある構図、ゴッホ「歩きはじめ、ミレーに拠る」の彼らしい葉の描き方にそれぞれの画家の特徴を感じられました。

圧巻はゴッホの「糸杉」。円を描くように絵具を塗りたくる手法に、写実を超えた感情の表現を感じ取ることができます。また、ルノワールにしては珍しいビーチを描いた「浜辺の人物」では、複雑かつ美しい海の色にしばし見とれてしまいました。初日の土曜日の10時半ごろに訪れましたが、混んではいるものの立ち止まって時間をかけて鑑賞することができました。

http://met2012.jp/