アジア解体論

時事の記事ながらサッカーの話題で始めて恐縮だが、オーストラリアがオセアニアサッカー協会を脱退して、アジア協会に加盟することが正式に承認された。過去にも、政治的配慮から地理上はアジアにあるイスラエルがヨーロッパ協会に移ったり、旧ソ連カザフスタンがアジアからヨーロッパに移ったことがある。

他の大陸は独立性がかなりわかりやすいのだが、アジアとヨーロッパの境界は実にわかりにくい。トルコがアジアとヨーロッパに分かれているのは、ボスフォラス海峡があるのでまあよい。しかし、その北部、旧ソ連地域はウラル山脈が境界ということらしい。言い換えれば、ユーラシア大陸のうちの「特別な一部」がヨーロッパで、残りの部分がアジアだって、そういうことなんだよね。

だいたい、アジアのアイデンティティなんてないと言って良いと思う。西アジアのアラブ地域と東アジアの共通点なんて皆無に等しいし、これだけ広くて時差のある地域をひと括りにしてしまうことに無理があるのだ。インドかミャンマーより西をアジアと呼んで、残りの東アジアをオセアニアと一緒にして「パシフィック」と読んだ方がよほどわかりやすいし、アイデンティティも持ちやすいと思う。グローバル企業は、たいてい「アジアパシフィック」という概念があって、東アジアとオーストラリア、ニュージーランドをひとつに見ているくらいだ。それに、オセアニアの島々からフィリピンやインドネシアへは、民族的にも地勢的にも近いはずだ。

別にナショナリズムを煽るつもりはないが、ヨーロッパ中心の世界観の残滓など、なくしてしまっても構わないと思うのだが・・・