【タンタンの冒険】実写とアニメの境目で

アルファベット表記では「Tintin」ですが、原作はフランス語なので「タンタン」。このあたりが、日本人にはなじみにくい部分ですよね。僕はベルギーのブリュッセルを訪れた際にタンタン・ショップにも立ち寄りましたが、タンタンは小便小僧に次ぐくらいにベルギーの観光資源でした。

さて、この映画「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」はスピルバーグ監督の中では「インディ・ジョーンズ」に匹敵するストーリーだったようです。「アバター」のようにモーションキャプチャーを使ったコンピューター・アニメですが、より実写に近い現実感を狙っていて、ファンタジー要素をショーアップ効果として使っているように見受けられます。

実写で表現するとあまりにも現実離れしてしまい、単純なアニメでは迫力に欠ける。そんなシーンを扱うにはこの方法は絶妙です。荒波立つ大海原や激しい火柱など、わざとらしくないリアルさがこの作品の魅力となっています。ストーリーはいかにもではありますが、映像の美しさに時間の経つのを忘れてしまいました。大人も気軽に楽しめるエンタテインメントに仕上がっています。