【なでしこJAPAN】米国に初勝利

ワールドカップ決勝はPK戦勝利なので、公式記録は引き分け。そんなことはサッカーファンの間では常識だが、世間一般ではマイナーな知識でしかない。優勝を決めたときは「米国に勝利」と騒ぎ、今回のアルガルベカップでは「実は初勝利」と煽るマスコミには不信感しかない。

それはさておき、澤が欠場しながらもしっかりと中盤を制圧したなでしこJAPANの地力は素晴らしかった。澤のポジションを埋めた田中と阪口の連携は完璧で、焦らずにじっくりと組み立てながら前の選手が入れ替わる組織を築いた佐々木監督はさすがだ。もちろん、これはアマチュアに近い女子だからできた育成方法ではあるが、選手起用やモチベーションの維持まで含めて名監督の域に達していると言っても過言ではないだろう。

日本はピークをどこに持ってきていたのだろうか。決勝の相手、ドイツは間違いなく次の試合にピークを持ってきている。日本は米国戦にピークを当てたようにも見えるが、策士・佐々木が澤を温存していたとしたら、それはとっておきの秘策だろう。地元開催のワールドカップで恥をかいたドイツは、間違いなく本気で来る。ここが、なでしこたちの正念場だ。