【アイスランド戦】意義なき親善試合

ワールドカップ予選もすでに最終予選進出を決めており、Jリーグ開幕前のこの時期に代表のフレンドリーマッチを開催する意味合いは薄かった。ウズベキスタン戦に向けた壮行試合という位置づけにはなりそうではあるが、国際Aマッチデーではないからヨーロッパからの召集もできない。「国内組の強化による底上げ」と言いつつ、日本協会の資金稼ぎの色合いも強かったように思う。

キリンがスポンサーになった「キリンチャレンジカップ」となれば、キリンと同じ三菱系列の浦和からの召集は定番。阿部は負傷で離脱したものの、柏木と槇野は先発起用された。そろそろ、この慣習も終わりにしてほしいと感じたまま、もうずいぶんと時間が経ってしまった。

FIFAランキングが3ケタのアイスランド代表は、迫力を感じなかった。見せ場がお調子者・槇野が与えたPKと「ハンドスプリングスロー」では、長居陸上競技場を埋めたサポーターも拍子抜けしたことだろう。DFの本分は守備。得点しなくてよいから、失点を防いでもらいたい。終盤には、交代出場した田中順也が活かせず、中村憲剛がサイドに張ってしまって持ち味が出なかったことも残念だった。結論としては、この試合の意義を見出しにくいことを再認識したというくらいか。