【国立西洋美術館】古代ギリシャ展

上野公園の国立西洋美術館で開催されている「大英博物館 古代ギリシャ展」は、思ったよりも混雑していました。展示数は多くないものの、立体中心なだけに360°から鑑賞できるような配置にしているために、導線が狭く窮屈な印象です。そして、夏休みということもあって親子連れも多く、作品そのものよりも解説プレートの方が人だかりになっていたりするのです…

序盤の見どころはギリシャ神話の神々。ゼウス、アフロディテアポロンなどの名前は、かつて星座に興味があった頃に親しんだもの。僕のイメージとは違うものも多かったのですが、ギリシャ神話の世界を思い出しながら鑑賞できました。裸体の神を扱ったものも多く、「神」だからなのか性的な要素をあえて控え目に表現しているようにも見えました。何を言いたいのかについては、ご自分の目で確かめていただければと思います。

そして一番の目玉は「円盤投げ」。この作品の最大の魅力は、保存状態の良さなのでしょう。ごく一部にしか大きな損傷は見られません。丹精な表情に、コントラポストと呼ばれる「片足に重心が乗った状態」を描くことで筋肉の微妙な伸縮をしっかりとした描写で捉えています。ただ、僕の目にはどうしても静的に見えてしまい、「これから円盤を投げようとしている」にしてはダイナミックな印象は受けませんでした。

彫刻や彫塑といった立体は普段あまり見ないのですが、平面とは違った魅力があるのは確かですね。9月25日までの開催ですので、まだ日程には余裕がありますよ。

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