第81回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「おくりびと」を、ＷＯＷＯＷでようやく見ることができました。授賞式では本木雅弘と広末涼子が目立っていましたが、この作品の真骨頂は脇を固めている名優陣ではないでしょうか。
かつて「お葬式」に主演し独特の存在感が全開の山崎努、どこにでもいそうだけど異端な雰囲気を持つ笹野高史、地味ながら記憶に残る演技の余貴美子。本木の抑えた演技を、うまく引き立てていたように思います。吉行和子の役柄は、いかにも終盤で鍵になりそうだと思わせておいて、期待を裏切らないところはさすがに「娯楽映画」なのでしょう。
この作品のもうひとつの見どころは、映像の美しさ。神々しい山形の山並みや家庭の何気ないカットも、丁寧に作りこまれています。そこに主人公が奏でるチェロがよくマッチして、独特の静かな世界感を築き上げているのです。
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