【ありふれた奇跡】あまりに演劇的な

フジテレビ開局50周年記念ドラマと銘打って放送がはじまったこのドラマ、主演の仲間由紀絵に惹かれて見ています。ただ、10~12月クールにおもしろいドラマがたくさんあったことに比べ、1~3月クールは低調感が否めませんね。僕は仲間由紀絵はコメディエンヌだと思っています。「ごくせん」や「ジョシデカ」のようなノリのキャラを演じる方が彼女には合っていて、歴史モノを含むシリアスなドラマは合わないのではないかと。

さて、「ありふれた奇跡」です。このドラマは、「時代の流れを感じたので、もう連続ドラマは書かない」と言っていた脚本の山田太一が、12年ぶりにして「最後の連ドラ」と宣言している作品なのです。僕の印象は、やはり時代は山田太一を通り越しているということでした。心の病や自殺を扱っていることもあって意図的な面もあるようですが、会話にリアリティが感じられません。舞台の上で展開される演劇を見ているようなわざとらしさ、いかにも作られた会話が妙にテンポよく繰り広げられます。

仲間由紀絵加瀬亮は、この作品に出演したことが演技の上ではプラスになるかもしれませんが、視聴率や営業的な視点では失敗だったのではないでしょうか。制作陣の狙いがどこにあるのか、そしてそれが視聴者に訴求できるのか、僕は完全に懐疑的です。

http://wwwz.fujitv.co.jp/arifureta-kiseki/index.html