【オリンピック】バスケ決勝・屈指の好ゲーム

オリンピックの決勝にふさわしく、熱のこもった素晴らしいゲームだった。スペインもアメリカも勝とうとする意欲がはっきりと現れていたし、激しくディフェンスに来られても一瞬のスキを見つけ出すスキルはさすがだ。

1Qから両チームともに30点を越えるというハイスコアな展開は、終盤を迎えるにつれてディフェンスが固くなっていった。一時はじりじりと詰め寄られる展開に、アメリカも余裕などなく必死だった。アメリカはコーチKのタイムアウトの取り方が絶妙で、ここぞというタイミングで相手の流れを切り、見事にアメリカチームを修正してみせた。

スペインは17歳のガード、ルビオが素晴らしいクイックネスを見せ、恐らくは自らを強烈にNBAのスカウト陣に売り込んだことだろう。パウ・ガソル、フェルナンデス、ナバーロも実力を十分に披露していた。一方のアメリカは、コービー・ブライアントが勝負どころで3Pを決めていたが、スペインにとって嫌だったのはウェイドだろう。詰め寄ったタイミングで、必ずと言ってよいほど引き離すポイントを決めた上に、嫌らしいところでさすがのスティールを見せた。

終わってみれば118-107と差がついたが、内容的にはもっと拮抗していた。勝負どころを外していれば、どちらに転んだかわからないゲームだ。世界選手権王者のスペインがドリームチームを慌てさせてくれたおかげで、ファンは楽しいゲームを観戦することができた。