【タルク】奥が深い"Sit Down Think"

「ロンドンのクラブ・サウンドを通り抜けた、懐かしく、新しいAOR」というキャッチコピーがつけられたTALKのアルバム"Sit Down Think"を、タワーレコードで見つけて購入しました。AORというジャンルで僕がまず思い出すのは、ボズ・スキャッグスとかクリストファー・クロスあたりでしょうか。シチュエーションとしては、つき合いはじめたカップルのドライブとか無理に洒落たバーという感じですね。

ところが、聴いてみての印象は、もっと洗練されたさりげなさでした。近い音を探すなら、スタイル・カウンシルじゃないかと思いましたよ。ジャズやハウスのような楽器のメロディやリズムをベースにした音楽が、一貫性を持って流れているんです。売れ線の曲があるわけではないけれど、アルバム1枚通して聴くと心地よいというコンセプトは、まさにAORなのかもしれません。

最初はPCに取り込んで聴いていたんだけど、それでは音の微妙なニュアンスが伝わらないので平板な印象を受けてしまいます。ところが携帯に落としてヘッドホンで聴くと、いろいろな仕掛けがしてあることがわかって、何度でも聴き込みたくなるんです。聴けば聴くほど新しいことに気づく、そんなアルバムです。

http://www.flavour.org/1061.html