【人事の話】リファレンス・チェック

特に外資系企業では、社員を採用する際に前の職場に確認を取ることがあります。企業としての回答は労働基準法で制限されているので、「就業の有無、退職日」くらいしかできません。そのため、個人的な回答としてお願いするしかないんです。これは欧米では一般的なので、応募者が自分から以前の上司などの「推薦状」を添付してくることもあります。

人事に携わって長い僕も、このリファレンス・チェックの実効性には疑問を持っていたのですが、いざ自分が採用される際にリファレンスを求められて、はじめて納得がいきました。僕が応募したのは人事の責任者のポジション。各部門に固有なスキルは、通常は部門長がチェックできるけど、部門の責任者については社長はなかなかその専門性までを面接の短い時間だけでは判断できないんですよね。

僕の場合は、転職前の職場で上司だった人ふたりに確認した上でコンタクト先を応募先に伝え、僕の評価を応募先企業に伝えてもらったというわけです。場合によっては、このチェックによって応募者の勤怠状況が悪いことや、実は職場でトラブルを起こした人物だったということがわかることもありますが、どこまでその話を信じていいのかは、難しいところです。うまく話を引き出すのも、人事担当者の力量ともいえますね。