【音楽】さだまさしラップ説

Wikipediaによれば、「ラップ」とは「メロディーをつけて歌うのではなく、似た言葉や語尾が同じ言葉を繰り返す、韻を踏む(ライム)のが特徴的な話し言葉に近い抑揚をつけて発声する唱法」だという。韻を踏むのは、別にラップに限ったことではないし、普通のポップスでもその傾向はある。歌を、聞き手の耳に心地よく響かせようとすれば、同じ母音、同じ抑揚、音節という方向になってしまうものなのだと思う。

映画「チェケラッチョ!!」では、主人公の透が必死に韻を踏んだライムを書こうと悩むシーンがあり、テレビCMでは父親役の陣内孝則が「<ケビンコスナー>と<花瓶こするな>は似ているよ、YO、YO~」と叫ぶ。ただ、本来のラップは、社会性の高いライムを言葉の抑揚で叩きつけるものなので、ヤワな恋愛や「DAYONE~」という単純な言葉遊びではない。

前置きが長くなったが、そう考えると僕が思うに、日本のラップの元祖はさだまさしではないか。「関白宣言」や「親父の一番長い日」に端を発し、紅白で熱唱した「遥かなるクリスマス」もラップの香りが漂ってくる。関白宣言がラップとしてカバーされているのは、その証拠だろう。

そんな彼が、長崎弁ラップともいうべき「がんばらんば」をリリースした。プロモーションのビデオクリップではまさにラップしているので、必見だ。NHKの「みんなのうた」でも取り上げられているこの曲、中間部で登場するわらべうた「でんでらりゅうば」に懐かしさを感じる人も多いのではないだろうか。