【ドラマ】1899

「ダーク」の制作陣が手掛けたNetflixのドラマ「1899」は、その流れを汲んで時空を超える展開。登場人物が多く、使う言語も英語、スペイン語、ドイツ語などから中国語まで多彩。さらには怪し気な伏線が随所に張り巡らされているので、複雑すぎてなかなかついて行けない。特に最初の3話までは展開も読めず、もう見るのをやめようかと思うほどだったが、4話目くらいから一気に引き込まれていった。

「ザ・レイン」や「コペハーゲン」に出演していたルーカス・リンガード・トンネセンや「キャシアン・アンドー」でのパータガス将軍役が記憶に新しいアントン・レッサーなど、おなじみの役者も登場。皆がそれぞれに「らしい」キャラクターで、うまく持ち味を引き出しているように見受けられた。日本の芸者を装う中国人リン・イーを演じた若手イザベラ・ウェイの存在感にも注目だ。

最終話で時空をさらに超えながら無理のある展開になってしまったので、張り巡らされた伏線の多くは回収されないまま。これはシーズン2に期待しろということなのだろうが、「LOST」のように回収されないまま違う展開になって一気に興ざめするパターンもあり得るので、油断はできそうにない。「1899」はひとつのシミュレーションのラベルであって、この話全体をカバーするものでもなさそうだが、そのあたりの解明も持ち越された。