【Disney+】シー・ハルク:ザ・アトーニー E9

<ネタバレあり>

 

主人公ジェンが自分をキャラクターだと認識してナレーションを語ったり、それをキーに展開が修正されたりと、これまでのマーベル作品とは違った俗っぽい見せ方が多分に含まれていた本作だったが、最終話で何となくその意図が明かされた。ケヴィン・ファイギを思わせる「K.E.V.I.N.」というAIキャラを登場させ、「マーベル作品に必要な要素」から逸脱することを狙っていたかのような説明をさせているのだが、意図はわかるもののすっきりしない印象が残った。

最後はハルク、アボミネーション、デアデビルとオースルター競演状態になり、ウォンがいないことでポストクレジットに期待したところ、その前にベネディクト・ウォンのクレジットを見てしまったので、実際にウォンが登場しても驚きも喜びもなかった。まあ、新しいことにチャレンジするとは言っても、さすがにポストクレジットへの期待までは裏切れなかったということだろう。

それにしても、デアデビルの軽さは目を疑う。前話同様にチャラい目線をジェンに送り、ジェンの家族とディナーを共にする場面でも、デアデビルシリーズ特有の暗さからは対局にあるような表情だった。マーベルが権利を回復したこのキャラクターを今後使ってゆくとしても、以前のようなヘルズキッチンの世界観とは共存しないのだろう。期待していただけに、それは非常に残念だ。