【エリザベス女王】国葬

伝統を感じさせる長い、そしてゆったりとした進行の国葬ウェストミンスター寺院で執り行われた。チャールズ新国王をはじめとする英王室を中心に、各国元首クラスが並ぶ中、カンタベリー大主教ウィンザー司教といった英国教会の重鎮が説教を行ない一方で、新首相のリズ・トラスも存在感を示していた。

ウェストミンスター寺院の高い天井に、荘厳なミサ曲が響く様子は圧巻。この式のために書かれた曲も含まれており、国歌やバグパイプで英国らしさも加えながら進行すると、棺はバッキンガム宮殿脇からハイドパークへ運ばれ、そこからはナンバープレートのないジャガーの霊柩車でウィンザー城への移送された。式では、最前列の参加者が持っていた紙を落とすというハプニングもあったが、棺を8人で担ぐといった人力による部分も含め大過なく無事に進行した。

バッキンガム宮殿前は、即位70周年のジュビリーを祝った場所。ここでクイーン+アダム・ランパードが演奏し、ウィンザー城からサー・エルトン・ジョンが映像を届けたのは、この日に向けた序章でしかなかったのかと感慨にふける瞬間だった。スコットランドからの長い旅を終え、ウィンザー城に到着したエリザベス女王と関わったすべての関係者にお疲れさまでしたと伝えたい。めんどうな伝統は忌避されるが、このような思い出を彩ることには少なからぬ意味があるはずだ。