【エリザベス女王】在位79年で薨去

あえて「薨去(こうきょ)」という語を使ったが、メディアはほぼ「死去」で統一しているようだ。皇族のような高貴な方が亡くなったときには「薨去」や「崩御」を使うのが日本語の奥深さのように思っていたが、ダイバーシティの時代にはフラットな表現を用いるということだろうか。それにしても「逝去」という一般的な訃報で使われる単語を、なぜ使おうとしないのかはわからない。

先日のプラチナジュビリーでの祝宴にも参加し、最近では新首相の任命など公務を務めていたように思っていたが、かなり無理をされていたのだろう。配偶者のエディンバラ公フィリップ殿下が99歳で亡くなり、ご自身もコロナウイルスに感染するなど、心身ともに弱ってしまうファクターは重なっていたから、そんな中でも女王としてあろうとされた結果なのではないかとも思う。

英国ではボリス・ジョンソンが退陣してトラス首相が誕生したタイミングだが、彼女のフルネームは「メアリー・エリザベス・トラス」。立場は違えど、新たなエリザベスに英国は委ねられた。Brexitからエポックメイキングな出来事が続く英国だが、伝統は変化を見せるのだろうか。