【Caught a Ghost】Human Nature

ドラマ「ボッシュ/BOSCH」のオープニングテーマに使われていたCaught a GhostのCan't Let Gpが気になって、アルバム「Human Nature」をダウンロードした。「ボッシュ」ではトランペットの音をフィーチャーして、とても印象的な音作りになっていたのだが、アルバムで聞くとまったく印象が違った。遠くでラジオから流れているように聞こえる感じの雰囲気で、その後のライム的なリフもオープニングで聞くよりもおとなしい印象だった。こんなにも違う音楽として聞かせてくれることが意外でもあり、新たな発見に心がときめいてしまったこともまた事実だ。

アルバム全体の印象は、ソフィスティケートされた上質な音楽の要素をちりばめた玉手箱のような作りで、個人的にはシャカタクスタイル・カウンシルを思わせる。なかなか通じない表現だとは思うが、耳に残るリフをポップに仕立てながら、多様な音楽性を滲ませるあたりにその傾向を感じてしまうのだ。そして、タイトルチューンのHuman Natureは、マイケル・ジャクソンの同名曲へのオマージュかと思うほど、"human nature"という単語のイントネーションというか、音の処理が似ているのだ。

英語版のWikipediaによれば"indie electro soul band"という位置づけなのだが、ジャンルを意識するよりも、その高い音楽性に浸りながらそれぞれの要素を味わうのが正しい鑑賞法ではないだろうか。アルバムとしての完成度や一貫性は高く、飽きのこない作品に仕上がっている。