【Disney+】シー・ハルク:ザ・アトーニー E2

まだ2話目なのだが、「シー・ハルク」のIMDbでの評価が低すぎる。個人的にあまり好きではなかった「ムーンナイト」や「ロキ」が高く「ミズ・マーベル」が低いのは、歴史や時間軸のような小難しい要素がないとダメということなのだろうか。確かにジェニファーがハルク化したあたりの理屈づけは甘いのだが、そういった要素を敢えて前面に出さずにコメディ全開で作っているところを評価してもよいんではないだろうか。

ジェニファーを演じるタチアナ・ウォルターズの、コメディエンヌとしての才能は秀逸だ。弁護士という知的な職業でありながら、呆けた表情を見せたりもする。ハルク化すれば緑の巨人として戦い、拳で地面を割ろうとする。それらをすべて嘘っぽくならずに見せているのは、タチアナの演技力の賜物だと思うのだ。これがなければ、ハルクとの掛け合いの部分は典型的なB級映画のトレーシングにしかならない。だからこそ、ここからの展開に期待が持てるのだ。

アボミネーションを演じるティム・ロスが「インクレディブル・ハルク」に出演した2008年から14年が経過しているので、表情や演技も同じというわけにはいかない。この後に出演が予定されているデアデビルのチャーリー・コックスも、「ノーウェイホーム」ではふくよかな体格になってしまっていたように、長いシリーズで同じ俳優を使うことには難しさもある。マーベルの場合、視聴者サイドが変化も求める傾向があるように思うので、それをどう逆手に取るかなのだろう。