【ローランギャロス】小田凱人―ゴードン・リード

ローランギャロス車いすテニスに、衝撃の新星が登場した。16歳になったばかりの小田凱人が、東京パラリンピックの銅メダリストのゴードン・リードに完勝してしまったのだ。序盤から伸びのあるストロークと正確なプレースメントでリードを圧倒する小田は、1ゲームを失っただけでファーストセットを勝ち取る。セカンドセットは終盤に訪れた小田のマッチポイントを凌がれると嫌な展開になってしまったが、ここでも思い切りのよいプレーで勝利を手繰り寄せた。

小田のサーブは非常に強い上に、ネットすれすれを越えてゆくコース。ファーストサービスの処理に、リードはかなり苦労していたようだ。ただ、セカンドになるとリードも読みを活かしてしっかり対応してきたので、そう簡単に勝てたわけではなかったのだが、流れという意味では相手に渡さずにクローズしていたように思う。

リードは若い選手相手に、最初からやりづらそうな表情を浮かべていた。小田がポイントを重ねるにつれて、スタンドの観客も増えていったように見えた。もしかしたらそれはこの後に登場する国枝慎吾が目当てだったのかもしれないが、それにしても小田のプレーはテニスファンにインパクトを与えたことだろう。そして次戦は小田と国枝が当たる準決勝。こちらも楽しみだ。