【山形―大分】ポジティブな勝ち点1

あのままスコアレスで終わっていたらがっかりだし、ロスタイムの失点で負けていたら最悪だった。そんな状況を、ペレイラの3度目となる土壇場の同点弾で打ち消し、前向きな印象だけを残してくれたのだから値千金とはこのことだ。それにしても、井上が勝負に出たときのフォローの仕方を、小林裕紀は熟知している。この関係を、伊東と右サイドハーフの間でも築いてもらう必要がある。梅崎の出来は決して悪くはなかったのだが、伊東の突破やクロスはほとんど見られなかった。

普段はポゼッションが主体の大分にとって、ここまで相手にボールを持たれる展開は珍しい。それだけに、持った時の攻め方が定まっていなかった。無理してボールを前に送っても、飛び出した選手に遭わない。それが使えそうな井上が投入された時点では、今度は長いボールも出なかった。このあたりの修正がなかなかハマらないことが、とても気になる。サムエルの投入も、もう少し早くすべきだ。あの短い時間で仕事をさせるのは、酷としか言いようがない。

今日はエドゥアルド・ネットの縦パスがことごとく読まれ、下田もアウトサイドに位置していたためにインサイドの攻撃がまったく機能しなかった。サイドバックの上がりもあまり見られず、フラストレーションの溜まる展開。これを打開するには、梅崎のような仕掛けや、逆サイドからの展開に飛び込む姿勢が必要だ。高畑はハマっていると思っているが、伊東は狙い通りのポジショニングや動き出しができているのだろうか。僕にはそうは思えないだけに、このポジティブな印象をどう次につなげるかが大切だ。ミッドウィークにゲームのない週を、うまく使ってもらいたい。