【マイアミOP】イガ・シフィオンテク―大坂なおみ

マイアミの決勝で、ファーストセットを競り落としながらセカンドセットはベーグルでシフィオンテクに屈した大坂。その理由は、ファーストサービスが入らなくなってしまったこちにある。準決勝ではサーブが好調で、欲しいところでエースを叩き込むことができた。ファーストセットは56.5%と何とかその延長で戦っていた大坂だが、セカンドセットには33.3%まで落ちてしまった。ラリーではシフィオンテクの高いディフェンス力に苦しめられるので、大坂は早く決めてしまいたいという思いも強かったのだろう。

逆にシフィオンテクは、39.3%から77.8%に引き上げたことでリズムをつかんでいたが、セカンドサーブで大坂がかなりコートの中に入り込んで待っていたことで、かえってヒッティングの感覚を乱して自滅していたようにも思う。すべてはサーブだったと言っても、過言ではないだろう。ただ、大坂本人も楽しんだというコメントを残したように、ここまで状態を戻してきたことは前向きに評価すべきだ。

この後は苦手なクレーと芝のサーフェスになるので、かえって思い通りにならないストレスを感じなくて済むかもしれない。プレイヤーが楽しめなければ観客にとっても面白いゲームにはならない。その意味でこの日の女子シングルス決勝は、見ていて楽しい内容だった。マイアミのスタンドも、テニスを堪能したことだろう。