【コミック】Blue Giant Explorer (5)

シアトルから西海岸を南下してサンディエゴまで到達した宮本大が、次にどの都市に滞在するのかに興味があった。ラスベガスではないだろうし、ソルトレイクシティデンバーよりはメキシコ国境に近いフェニックスあたりかと思っていたが、アルバカーキはなかなか良い線を突いている。ドラマ「ブレイキング・バッド」の印象が強いが、治安の悪い砂漠地帯で、先住民やヒスパニック系も多い。それ以上の先入観はあまり持ちにくいだけに、テーマがハマれば面白い展開にできるはず。そして、作者のその狙いは成功したように思う。

アルバカーキでのテーマは「教え」。病気療養が必要になったサックス講師の代役として、老若男女にサックスを教えるというもの。最後には発表会も用意されている。僕もこれまでにいろいろと音楽活動をしているので、発表会の意味合いやそこに至るまでのプロセスはよくわかっている。プレイヤーとして感情がどのように動くかが、生徒ごとにうまく描き分けられているので、自分の過去の記憶のどこかにオーバーラップする部分を見つけられるのではないだろうか。

アルバカーキの次は、おそらくテキサス州だろう。ダラスやヒューストン、サン・アントニオも捨てがたいが、今のトレンドで行けばIT企業が集積するオースティンが本命だ。音楽面では、カリブ系の影響もこれまでの都市より強まるだろうから、サルサボサノヴァなど僕の好きなジャンルも絡んでくるかもしれない。