【ATP500ドバイ】ダニエル太郎―ダビド・ゴファン

全豪オープンで見せた成長はフロックではなかったことを証明するかのような、新たなダニエル太郎を印象付ける試合だった。舞うような強風が吹く難しいコンディションの中、いきなり4ゲームを連取。持ち味の長いラリーから一歩踏み込んでの鋭いパッシングショットを何度も決め、ネット際の反応も非常に鋭い。そして一番のポイントはサーブ。ポイントを先行された場面やゲームポイントでセンターサーブを叩き込んで、苦労せずにリードを積み重ねた。

セカンドセットはさすがにゴファンの逆襲に遭うものの、タイブレークをしっかりものにして勝ち切った。表情には余裕すら感じられ、ランキング上位常連といった風格があった。いつの間に、そしてどのようにこのような成長を遂げたのかは謎だが、ラリーで粘って相手のミスを待つだけの太郎ちゃんは、もうそこにはいない。ゴファンの表情には時に苦笑いすら浮かび、思うような展開にできないもどかしさが感じられた。

全豪でそのダニエル太郎に敗れたアンディ・マレーも勝ち上がり、そして「お騒がせキング」のジョコビッチも1回戦でムゼッティを下した。他にも、同じ山にはポピリンやシュトルフ、ハチャノフなど難敵が多い。誰と当たってもそう簡単には勝ち抜けない顔ぶれだが、今のダニエルなら十分に通用するはずだ。