【北京オリンピック】アイスホッケー決勝 フィンランド―ROC

早い時間帯にROCが先制し、ゴールを守るのは200cmの壁フェドトフとなれば、普通なら逆転は難しい。しかし、今大会のフィンランドは圧倒的な得点力を誇り、スウェーデン相手に3点差をひっくり返した実績もある。フィンランドは選手間の距離がよく、連動制も高い。止まっている時間が少なく、常に予測しながら次の動きに移行している印象があった。

2ピリ3分にパワープレイで追いついたフィンランドだが、ディフェンスのポッカが見せたこの遠目からのショットも見事。そして、3ピリ開始早々の31秒の決勝点は、エアポケットのような時間帯になっていた。何とか追いつきたいROCだが、攻撃に迫力がないというか、フィンランドの対応が絶妙で付け入る隙を与えない。

迎えた終盤。ROCは残り1分でゴーリーを上げてエンプティネットに出、そして残り16秒でタイムアウトを取る。そして、フェイスオフでは強引にパックを取ろうとした弾みでフィンランドの選手がパックに覆い被さるように倒れる。倒れた選手は当然パックを守るので、集団リンチのような壮絶なシーンとなってしまった。最後は何とかパックを掻き出してゴールに迫ったが、ワンチャンスでは如何ともし難かった。

NHLの選手か不在とはいえ、これだけレベルの高いアイスホッケーをテレビ放送してくれるチャンスはオリンピックくらいしかない。カーリングの影響で中継が途中からになっても、見る価値は十分にあった。