【MARVEL】ウルトラマン

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マーベルと円谷プロのコラボで実現したアメコミ版ウルトラマン。第2巻「ザ・トライアルズ・オブ・ウルトラマン」の出版を機に、第1巻の「ザ・ライズ・オブ・ウルトラマン」と合わせて読んでみた。時間軸や設定は大幅に変更されているものの、ハヤタとウルトラマンが融合している点など、原作を生かしている部分もあるのはありがたい。現代に置き換えられているので、科学特捜隊や隊員の設定も変わっているが、制服は原作に忠実に描かれている。

原作のフジ・アキコは「フジ・キキ」になっているが、これは英語圏のニックネームのつけ方としてはありがちなもの。「アキヒコ」が「キコ」になったりするので、「アキコ」が「キキ」になるのは原作への敬意を感じられる。髪型もフジ隊員を思わせるので、原作でメフィラス星人に仕向けられた「巨大フジ隊員」もアメコミ版で見てみたいものだ。ムラマツキャップとハヤタは原作より若く、やんちゃな雰囲気。イデ隊員は研究者の要素を強めた容姿になっている。

何よりもアメコミ版では、SF考証が絶妙だ。原作ではあまり科学的な根拠は提示されず子供だまし感があったが、そこはさすがマーベル。活動時間が3分間に限られることや怪獣の突然の襲来にうまく説明をつけている。そしてウルトラセブンモロボシ・ダンも登場し、このあたりからはかなり原作を逸脱した方向へ進む予感。次回作にも期待できそうだ。