【ドラマ】ハンナ ~殺人兵器になった少女~

年末年始に、Amazonプライムで「ハンナ」を一気見した。ルーマニアの森から始まり、ヨーロッパ各地を舞台にしているが、都会だけでなく地方都市や農場、森などが描かれる。カナダや北欧ドラマでは、このように都会ではない環境を舞台にした作品を多く目にするが、これはひとつの潮流なのかもしれない。温暖化やカーボンフリーの問題を考えるのに、森の存在は大きい。

「殺人兵器になった少女」という副題は、あまり作品の本質を表しているとは言えない。どちらかといえば、そのような洗脳を振り切る自我の物語だ。主人公ハンナを演じるエスメ・クリード・マイルズはクールは、クールな枠柄をうまく演じていた。大きな目から生じる「目ヂカラ」が印象的だ。しかし、本作において最も重要なのはミレイユ・イーノスの演技。マリッサ・ウィーグラーという誰の味方なのかわかりにくいキャラクターをシナリオ以上にふくらませたのは、間違いなく彼女の功績だ。

ストーリーはそれなりにおもしろいが、やや独り善がりな一面も。敵の警備員は弱すぎて、あっという間に複数が死んでしまう。そして自分たちはダイハード。この辺りを早めにフィクションと割り切らないと、なかなか物語に入り込めないだろう。