【ATPカップ】フランス―イタリア

シドニーで開催されたフランスとイタリアの一戦で、ダブルスはロジェ・バセラン/マルタン組がベレッティーニ/シンネル組と対戦した。ベレッティーニはシングルスに次ぐ連戦となったが、すでにシングルスで2勝しているイタリアがポイントを稼ぐべく全力で臨んだことがよくわかる。フランスは主力を欠き、ランデルクネクとユンベールをシングルスで起用する中で、スペシャリスト2人を揃えたダブルスは落としたくないところだったはずだ。

イタリアの1セットアップからセカンドセットはフランスがリードして進行するも、ロジェ・バセランのセカンドサーブがマルタンの後頭部を直撃する珍プレーでイーブンに。ネット際で勝負したいマルタンの立ち上がるタイミングが早すぎたものだったが、これを何とかタイブレークに持ち込んで帳消しにした。マッチタイブレークではマッチポイントも握ったフランスだったが、ロジェ・バセランのサーブを2本落としてイタリアにマッチポイントが移り、あっさり取り切られてしまった。

この試合、マルタンの表情が硬い一方で、シンネルがリラックスしてプレーしている様子が印象的だった。その影響かダブルフォルトも目立ったが、それを差し引いてもイタリアの方が余裕があったとみるべきだろう。今年のATPカップは地元オーストラリアの試合以外はスタンドが閑散としており、興行としてはうまく行っていないことが窺われる。全豪前のウォームアップとしての意味合いになっているなら、長くは続かないだろう。