【アジア最終予選】日本―オーストラリア

これまでの3試合を見ていないので比較はできないが、日本代表はきれいに点を取るのではなく、泥臭くても勝ちたいという気持ちが滲み出ていた。パスの出し手が柴崎のように特定選手でなかったことが、かえって本来の日本の持ち味につながったのではないだろうか。最初のゴールは南野が逆サイドをしっかり見て出したパスが少しずれたのだが、ベヒッチのクリアミスにも助けられて田中碧につながる。あの場面で、あの場所に田中がいたことが不思議でもあるが、ここは彼を称えるしかないだろう。

そして2点目は、浅野が放ったシュートがこぼれたところに古橋ともつれるように突っ込んだベヒッチがまたしても失点に絡むオウンゴール。いかにも浅野らしいプレーだが、古橋、伊藤とともに裏を狙わせたのが功を奏した。オーストラリアの高い守備を破るには、あれしかなかっただろう。これこそが監督のなすべき仕事であり、ようやく森保一がそれをこなしてくれた。最後は足を痛めた田中を最前線に置いていたが、これも悪くはなかった。

11月はアウェイの2試合だが、何が何でも勝たなければならない。オマーンへの雪辱を果たすために、まずはベトナム相手に自分たちのスタイルを極めたい。久保や堂安が戻ってきたとしても、まずは今日のメンバーがファーストチョイスだろう。柴崎も含め、ゲームメーカーはいない方がよさそうだ。