【北欧ドラマ】フォロー・ザ・マネー

デンマークのドラマ「フォロー・ザ・マネー」は、詐欺対策班の刑事たちが金融絡みの犯罪に立ち向かうストーリー。群像劇のような複数のプロットがあり、最初は何が何だか、誰が誰だかわからないまま展開するのだが、最後はそれらがひとつに収斂してゆく。その意味では、一気見した方が内容を理解できるのではないだろうか。どのキャラクターも感情移入しにくく、友達にしたくないタイプばかりだが、よく考えてみればこんな性格の人は自分の周囲にいくらでもいそうな気もする。

シーズン1の舞台は洋上風力発電企業の「エナグリーン」で、シーズン2は「アブサロン銀行」。どちらも金の亡者がはびこり、野心家の法務担当者が絡む。刑事のひとりマッツは、インテリジェンスというより叩き上げタイプで、「シカゴP.D.」のボイトに通じるようなキャラクターだ。

かつて仕事でコペンハーゲンを訪れた際に、橋を挟んで対岸にあるスウェーデンのマルメにも足を伸ばした。デンマーク側の人たちの服装や雰囲気が地味なのに対し、スウェーデン側はスタイリッシュでカラフル。このドラマに登場するデンマーク人も、地味につましく生きている中で、精いっぱいの上昇志向を見せている印象もある。デンマーク語の台詞を聞いていると、ときどき韓国語のように聞こえることがあった。妻も同じ印象を持っていたので、リズムや発音などに類似性があるのだろう。