【北欧ドラマ】ルーム301 ~秘密の扉~

フィンランドと英国の製作によるドラマ「ルーム301」を、お試しのつもりで1話見てみたところ、一気に引き込まれてしまい全6話を立て続けに見てしまった。時間と場所が錯綜するドラマは苦手なのだが、本作はその使い方が絶妙。伏線はしっかり回収してくれるし、ある程度裏を読んでその通りになるものの、少しづつ裏切られて展開する。その構成が、本当に見事なのだ。

犯人は最後の最後まで特定できないが、その犯行のバックグラウンドはエピソードごとに明かされてゆくので、興味が途切れることもない。北欧ドラマらしい暗さはあるものの、舞台の大半がギリシャのリゾートということもあって適度に開放感もある。直前に見たデンマークのドラマは骨太さだけを追求した印象だったが、こちらはエンタメに徹していて本当に面白かった。欲を言えば、最後のもう少し余韻に浸らせて欲しかった気持ちもあるが、まあこの終わり方も十分アリだろう。

ただ、吹替だけはいただけない。特に第1話は俳優の雰囲気に合っていない上に、吹替にありがちなハイトーンな声に強烈な違和感があった。これは日常的に感じることだが、欧米人の声のトーンは概して低めであって、声優が発するような声とは基本的に異なる。本作では重要な役どころで、しかも終盤に重要な台詞を与えられたキャストがいるのだが、この吹替が合わないを通り越した下手さがにじみ出ていたことが唯一のがっかりポイントだった。