【USオープン】大坂なおみ―ボウズコバ

久しぶりにWOWOWの中継で見る大坂なおみの表情は明るく、プレーはパワフルでエネルギーがみなぎっていた。ボウズコバも決して悪いプレーではなかったのだが、大坂を追い込んでもサービスエースで切り抜けられてしまうのでは、活路を見出すのは難しかったことだろう。大坂は、フォアもバックもうまく打ち分け、ダウン・ザ・ラインのような逆クロスのようなコースへのショットが実にきれいに決まっていた。

大坂の表情が明るかったのは、プレーの内容がよかったことに加えて、アーサー・アッシュのスタンドに大勢のファンが詰めかけていたからだろう。ニューヨークは先日のCNNのイベントでも復活を宣言しており、マスクもせずに普通の生活をしているように見受けられた。勝利後にサインボールを打ち込む際に、大坂は明らかに自分を応援してくれていたファンを狙っていたが、見事に狙い通りのファンに手に渡るのだから素晴らしいコントロールというべきだろう。

ただ、解説の松岡修造もコメントしていたように、パワーと気分だけでは優勝までは行かない。東京オリンピックでも2回戦までは圧倒的な雰囲気で勝っていたのに、3回戦では空回りするように失速したが、特に相手が狡猾だったらパワーと気分は負のスパイラルに陥りやすい。ピーキングも難しいとは思うが、まずはセカンドウィークを目指してもらえたらと思っている。