【横浜M―大分】采配がことごとく裏目

ここまで監督の采配が裏目に出るゲームも、珍しいのではないだろうか。久しぶりに起用したGK高木が2本のループを決められてしまったが、彼はもともと速く展開したがるせっかちな性格。大分に移籍して最初の試合(だと個人的には記憶している)となった東京V戦でキャッチしたボールをすぐにスローしてDFに委ねていた印象が強いのだが、今節も狙いの定まらないパントキックと前に出る守備で墓穴を掘った。しかし、試合勘の鈍りは致し方のないところで、素晴らしい反応からのファインセーブも3本以上あったのだから、起用自体が間違っていたとは思わない。

そして、その高木に中途半端なヘッドでのバックパスをしてしまったのが、これもスタメンに復帰した上夷。さらには移籍後初登場で、交代出場して最初のプレーでエウベルにぶち抜かれて失点に絡んだのが野嶽だ。片野坂監督にとっては、何とも後味の悪い展開だったことだろう。唯一の救いは、伊佐がCKからヘッドで叩き込んだこと。下田からのセットプレーは、全体的に可能性を感じさせていた。

前向きに考えるなら、強豪とのカードを終え、ここからが勝負だと切り替えることができる。天皇杯はどうでもよいし、今日の試合で町田を使わずに終えたのは、間違いなく温存だろう。最初の交代カードが藤本と渡邉という時点で、このゲームはテストになっていたように思う。それは、それでよい。ただ、残る8月の3試合で勝ち点4以上を積み上げられないとすれば、「片野坂監督を残す」と公言した榎社長の経営責任を問う必要もあるのではないだろうか。