【TOKYO 2020】女子バスケ/日本―フランス

結果だけでなく、内容も素晴らしかった。何といってもPG町田のアシスト18は、オリンピックレコードとなる驚異の数字だ。162cmという小柄な体から繰り出されるパスは絶妙で、特に赤穂との連携はNBAを見ているかのようだった。そして、その赤穂だ。フランスのディフェンスの隙を見つけてはカットインし、インサイドで勝負するテクニックとパワーはフランスの脅威だったはず。アウトサイドでは、林や宮沢に限らず、オコエ、エブリンとどこからでも決めることができ、トータルで11/22の50%という3Pの決定率にまでなっていた。

準決勝のベルギー戦では高田が勝負を決める3Pを沈めたが、ここぞというタイミングでアウトサイドから得点できるチームは強い。男子のアルゼンチン戦で、アルゼンチンができて日本ができなかったポイントなのだ。相手のターンを守備でつぶして3Pを決めれば、実質5点分の価値がある。これが、この日の日本の強さを象徴していた。

しかし、この日の日本チームの勝因はディフェンスにあった。2Pで逆転してからは焦りの見えるフランスが無理な状況から狙わざるを得なくなっていた。マークの受け渡しやディフェンスリバウンドもしっかりできていて、フランスとしては反撃のチャンスをことごとくつぶされていた。これはチームとして、しっかり意識が合っていればこそだ。バスケは、それぞれの攻撃ターンで2点が入ることを前提に、1点積むか2点削るかの争いと言ってよい。それだけに、守備は攻撃以上に大事なのだ。本来なら観客の「ディーフェンス!」という声援がこだましていたはずなのだが…