【TOKYO 2020】野球/日本―米国

こんな展開は、誰にも予想できなかっただろう。もちろん、期待はしていた。田中将大が連打で3失点したところから、もつれることは想定内だった。田中は余計なことを考えすぎている印象でコントロールも定まっていなかったのだから、もう少し早めに見切りをつけてあげるべきだった。キャッチャーとの相性が悪かったのかもしれない。

9回裏に泥臭く追いついて迎えた延長タイブレーク。栗林が最初のバッターを三振に取ったことで、大きく優位に立った。日本は栗原を代打に送ってまでバントで進塁させ、甲斐に託す。メジャーリーガーのいない米国だったが、だからこそ変則シフトが可能だったのではないか。それまでも村上に極端な内野守備をしてきたが、甲斐に対しては外野手にグローブを交換させてまで内野に5人を配置。おそらくは、ドミニカ共和国戦で甲斐が見せたスクイズを意識していたのだろう。しかし、外野に飛ばせばほぼフライアウトは無理という状況は、バッターを楽にしてしまったようにも思う。

変則的なトーナメントだが、次は韓国。場合によっては韓国と2回戦うということも十分にあり得る。打撃陣はそれなりに計算できそうなので、投手の起用がカギになりそうだ。よい投球内容だった千賀や山崎、栗林らにはしっかり準備してもらい、少し長めのリリーフも想定しておくべきだろう。