【EURO2020】フランス―ポルトガル

いろいろな意見があるようだが、ポルトガルの最初のPKにつながったロリスのファウルについて、僕は非常に懐疑的だ。マテウスラオス主審自身も、あの判定に自ら確信を持てなかったからこそ、その後のエムバペのプレーでも笛を吹いた。あのフランスのPKがあるのは、マテウスラオスの見せた懺悔だと思うのだ。そうでなければ、普通はあのプレーでは取らない。その程度のプレーだ。最初に笛を吹いてしまったから、それを取り戻す笛を意図的に吹くのは、よくあることだ。

今大会、ここまでの試合でベンゼマの出来はイマイチだった。この試合の前半でも、下がって受けたもののパスミスでロストしており、「ベンゼマの使い方を間違えている」と感じていた。ところがPKでゴールを挙げると、2点目は完璧な形で決める。いかにもFWらしいゴールだった。やはりFWは前線で勝負してナンボであって、守備の強さや下がって受けてパスを出していては最後の最後で力を使えないのだ。エムバペは試合開始早々はよいが、消耗が早い。ロリスがPKを止められるようには思えない。そう考えると、ベンゼマがいてこそのドローだった。

この大会を見て感じるのは、相手の守備がセットしてしまったら得点は容易ではないということ。スペインでもフランスでも、存在感のあるFWがいてもなおゴールをこじ開けるのは難しい。J1で大分が自ら相手に守備を固められる時間を与えていては、点を取れないのは至極当たり前なのだ。大分に存在感のあるFWは、ほぼいないのだから。