【湘南―大分】ゲームプランの破綻

ハイプレスを仕掛けてくることは十分にわかっていたはずだし、実際そういう展開になったこのゲーム。大分は前半にシュート0という救いようのない内容だったのだが、その根源は間違いなくゲームプランにあった。

湘南のハイプレスをはがしてサイドに展開、あるいは長沢に当てるポストプレーを想定していたのだろうが、サイドを塞がれた上に長沢は孤立してしまった。これは、ビルドアップで相手をはがせず、苦し紛れに前に蹴っていたからだ。長沢からDFラインまでは距離があり、小林裕紀はDFに下がっていたから中盤のインサイドは下田と町田。ここのところ得点能力を示している町田だが、彼のパス能力を生かしたい気持ちはわからないでもない。しかし、長沢をポストにするならサポートが重要なのに、渡邊も長沢の近くにはポジションを取っておらず、結局長沢がサイドに流れて相手DFを密集させるので、さらにサイドが詰まってしまったのだ。

幸いなことにハーフタイムで修正はできたのだが、サブに入っているメンバーも「先制逃げ切り」を想定したかのような顔ぶれ。屋敷の突破力も髙澤のパワーも生かす場面すら作れず、攻め上がったエンリケトレヴィザンの裏をウェリントンに使われ、古巣対戦で投入されたようにも見える高山がなす術もなく決められた。

コロナ陽性と濃厚接触者の計3名が誰かを探るつもりもないが、7連戦の最後のゲームでこのメンバーがベストなのだとしたら、この先も不安でしかない。ゲームプランの破綻は監督の責任が大きい。片野坂監督はいつものように自分の責任だというコメントを残すだろうが、事実彼の責任なのだ。そして、今日の彼の失態に、僕は本当に失望した。