【ルヴァン杯】大分―徳島

大分トリニータにとって、現時点でベストのメンバーを揃えるべきはリーグ戦。その意味では、ルヴァンカップは調整もしくはテストの位置づけでも構わない。ただ、今日のゲームは序盤でもっと差をつけられたにも関わらずフィニッシュが伴わず、結局最後はセットプレーで押し込まれてしまった。エンリケトレヴィザンとペレイラが重なって、結果的にカカをフリーにしてしまったようにも見えたが、カカを褒めるべき場面だろう。

そんな中、将来に向けた大いに期待させてくれたのが屋敷だ。相手を2~3人まとめて抜き去るドリブルや寄せられても跳ねのけるフィジカルコンタクトによって、何度もスペクタクルなシーンを見せてくれた。弓場の視野の広さも優れたものがあり、大分の育成プログラムは相変わらず機能していることが認識できた。

個人的には、観客に「捨てゲーム」のように見えてしまう戦い方は好きではない。前にも書いたと思うが、かつて大宮に5点取られた石崎監督時代の大分が、選手交代を1枚を使わずに終える試合を見たことがあり、非常に不快だった。前半1-0とした時点で坂と渡邉を下げたのは、それに近い空気が感じられていやな気分にさせられた。クロージングに行って失敗したともいえるし、追いつかれた場合にリトリートするカードが残っていないということでもある。

いずれにしても、今日のゲームの価値は湘南戦の結果で決まる。コロナ陽性による戦力ダウンも想定される中、ここは将来ではなく足元の現実のために勝ち点3だけを追い求めてもらいたい。