【ルヴァン杯】大分―東京

ミッドウィークのカップ戦なので、何が何でも勝ってほしいという思いもなく、大分の形にならない攻撃に前向きな兆しが見えればよいと思っていた。その意味ではチャンスは数多く作り出せていたし、長谷川の視野の広いサイドチェンジが復活したのは今後に向けて本当に大きな光明だった。

しかし、点が取れない。髙澤はシャドーの方が合うのだが、長澤が負傷で伊佐を休ませる意図はわかるので、トップ起用は致し方ないところ。小林成豪を温存できたので、次につなげてもらいたいところだ。それにしても藤本の出来は、期待が大きかっただけに不満でしかない。自陣ペナルティエリアでの不用意なハンドに加え、マイボールではないルーズボールをアウトにしてスローインしようとしたあたりも、状況把握能力の欠如を如実に表していた。

守備陣では刀根がよかった。DFラインのコントロールも前線はのフィードも、これまでより数段自信が感じられ、問題となるような点は見当たらなかった。失点の場面は永井を褒めるしかないだろう。

片野坂監督の采配で不満なのは、サイドの交代カードを残していながら井上の足が吊った時点では交代枠が残っていなかったところ。いかに井上のスピードが魅力だとはいえ、90分走り続ければ疲労も溜まる。90分の中での選手起用については不十分な点があるし、せっかく合流したエンリケトレヴィザンをベンチにも入れなかったのは、いかにも片野坂監督らしい采配ではあるが、サポーターとしては物足りない。