【映画】インクレディブル・ハルク

いつもマーベルの話題につきあってくれるコーヒースタンドのスタッフから、「ハルクは面白くない」と聞いていた。それでも、MCU作品で見ていないものが「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズと本作だけになっていたので、見逃す手はないと思って見てみた。他のマーベル作品とは一味違う緊張感のある序盤はスパイサスペンスを見ているような感触で、「アイアンマン」にも通じる印象。心拍数が一定値を超えるとハルクに変身してしまうという条件に緊迫感があり、ハルクやアボミネーションの表情も体の変化もリアルな映像で作り込まれている。確かに一味違うのだが、これはこれで十分に楽しめる。

この作品以降、主人公ブルース・バナーがエドワード・ノートンからマーク・ラファロに交代するが、イメージの違いは著しい。ノートンは二枚目を地で行くような俳優だが、ラファロはどちらかと言えば変身後のハルクの雰囲気を柔和にした感じで、だからこそのキャスティングではないかと思う。ノートンのままであったら、アベンジャーズシリーズの中でも、より「二枚目」な立ち位置にしか置けなかったのではないかと思うと、先を見据えて交代させたのかもしれない。

来年には「シーハルク」が配信される予定なので、MCUとしてもハルクシリーズとしても新たな展開が期待される。マーク・ラファロの出演も決まっているので、ロマンス的な位置づけも含め、どのように描かれるのか興味を惹かれるところだ。