【コミック】Blue Giant Explorer (2)

相変わらずこの作品は、音が聴こえるような絵と展開で楽しませてくれる。ヨーロッパ編のSupremeはバンドの人間関係を中心に描いていたが、このアメリカ編となるExplorerは宮本大個人にフォーカスを当てた物語。シアトルからポートランドに移動すう中で、地元の人たちとの交流から価値観や文化を体感してゆく。シアトルとポートランドを比べてみると、僕の実感としてはシアトルは観光地化されてビジネス主体で、ポートランドは幅広い文化が根付いた自由な雰囲気。本作でも似たような描写になっているが、ポートランドについてはちょっと美化しすぎているようにも思える。

西海岸から入ったのは、あえてジャズ文化とは遠いところから本丸のニューヨークに向けて移動するということなのだと思うが、ジャズの本家ともいえるニューオーリンズやブルースの都メンフィス、カントリーのナッシュビルなどを経由するのかどうかも興味がある。ジャズを深く理解するには黒人文化が重要なので、シカゴからニューヨークというルートでは深掘りができないはずなのだ。

また、ポートランドでの宮本大は、かなりラッキーな展開でステージに上がることができたが、ここはアメリカ。そんなにおいしい展開だけが待っているとは思えない。純粋で人の好さがウリの彼が、騙されたり裏切られることも当然あるだろう。それを偽善的に描いてしまうと薄っぺらい予定調和になってしまうので、ジャズらしいインプロでどのように乗り切るかが見ものだ。