【映画】アイアンマン

スパイダーマンのシリーズを除けばエンドゲームを最初に見ていて、ワンダヴィジョンをきっかけに遡ってMCU作品をいろいろと見始めた僕にとって、アイアンマンは金持ちが趣味に飽かせて超人スーツを開発して自分で着ているものというイメージを勝手に持っていた。しかし、本作を実際に見てみて、これがかなり骨太な内容であることに気づいた。

トニー・スタークが武器商人であることは知っていたが、それがためにアフガニスタンで拉致され、脱出する目的でスーツを作り上げたことがきっかけという点が、まず新鮮な驚きだった。そして、自らの行動を恥じて、スターク・インダストリーでは武器を扱わないという方針転換をしたところを、部下であり先代の側近であったオビーに付け込まれそうになる。キャプテン・アメリカ愛国心が招く悲劇との葛藤が描かれるが、アイアンマンも商業ベースでその問題を捉えていて、正義という価値観がいとも簡単に崩れることを物語として見せてくれるのだ。

エージェント・コールソンが登場し、エンドロール後にはニック・フューリーも顔を見せる。こうした小ネタに込められた連続性こそがMCU作品の魅力でもあり、関連作品への送客ルートとして機能している。そして、僕はまさにそのプロモーション戦略にハマってしまっているのだ。本作では「EMPIRE」でルシウス・ライオンを演じたテレンス・ハワードがローディ役だが、降板して「2」からはドン・チードルがキャスティングされ、ウォーマシンとして活躍している。チードルよりもテレンスの方がウォーマシンの魅力は高かったように思えて、ちょっと残念だ。