【パリマスターズ】西岡―マナリノ

1回戦のアンドゥハル戦での西岡良仁は、序盤にコートのバウンドが想定と違ったようで自分のプレーができなかった。さらにアンドゥハルがエラーをしてくれなかったこともあって、競りながらも最後にブレークを許してファーストセットを落とす。しかし、ここから自分のテニスを取り戻し、1本ごとに球筋や回転を変えるいつもの展開に持ち込んで逆転勝ちした。

そして迎えた2回戦のマナリノ戦では、随所に好プレーを見せながらもマナリノの狡猾なネットプレーに対処できない。アンドゥハルとの一戦を含め、最近その傾向にあるのだが、西岡はロブが甘くなってしまう。それに加えてネットを取られては、もう対処のしようがないというものだ。セカンドセットのタイブレークは取ったものの、その前に信じられないリターンを返された西岡が、マナリノを称える拍手からの苦笑いというシーンもあった。

自分のプレーができなくなると、駄々っ子のような振る舞いを見せる西岡だが、この大会ではかなり意識しているようで、少しだけ大人になった感触がある。オフコートでは笑顔がまぶしい好青年だが、オンコートで調子が出ないときは本当に応援のしがいがない選手になってしまうので、成長を見せて欲しいのだ。その意味では錦織圭も、まだまだ世界の一流プレイヤーの風格には一歩も二歩も及ばない。このあたりは、日本テニス界の閉鎖性とお坊ちゃん気質が影響しているように思う。