【トリニータ】小瀬の幻影

今週は大分トリニータの試合がないので、たまには試合のレビュー以外のことも書いてみようと思う。佐藤和弘松本山雅期限付き移籍し、さっそく試合に出ている。そのことで思い出したのが、2018年のJ2で甲府と対戦した中銀スタジアムの試合だ。このゲームは、甲府のプレスとスタジアムの芝の具合が見事にハマり、甲府が6-2で大勝している。僕はレンタカーで遠征したものの、失意の下に帰ってきたという一日だった。

このゲームで甲府のスタメンを見ると、とても興味深い。センターバックに小出悠太、ボランチ島川俊郎佐藤和弘、さらには小塚和季までが含まれている。この翌年、小塚と島川が、そしてさらに1年後に佐藤と小出が大分に加入した。それは6-2という衝撃的な結果がPTSDのように、西山哲平片野坂知宏の記憶に植え付けられているからではないだろうか。そして、彼ら4人は決してあの日のような活躍を続けているわけではない。

ただ、そうは言っても小塚にしろ島川にしろ、必要なピースであることは確かだ。佐藤はビルドアップですぐに下げてしまうところが課題だったが、最近は前線に顔を出すようなプレーができていた。小出もミスは目立つものの、攻撃に絡んだときには思いもよらない存在感を示す。これだけのメンバーを移籍させたということは、大分のサッカーに彼らを惹きつける何かがあったのだろうし、そのい体現度合いが上がれば結果もついてくるということだろう。小瀬で見たサッカーが現時点ではまだ幻影だが、大分のサッカーとして現実化するのは遠くない将来であってほしい。