【横浜M―大分】ゲームプランに疑問

大分は、この日のゲームプランをどう考えていたのだろうか。雨の中のゲームであることは承知の上だったはずだが、長身選手が多いわけではないので空中戦を仕掛けることはできない。そこで、あまり走らずにミドルパスを多用し、ポゼッションサッカーの進化版で対応しようとしたのではないか。そうなると、必要なのは中盤の構成力。ところが、交代カードで中盤のオフェンシブなポジションで使える選手は誰ひとりいないのだ。

おそらく、この背景には負傷者の多い台所事情があるのだろう。しかし、今日のベンチに入った選手が使えるカードだったとして、90分の戦いを見越すなら町田や野村は途中から使う選択肢もあった。つまり、先発は髙澤と三平、そして田中でもよかったのではないか。ここのところ好調で結果も出している田中だが、今日はサイドを突破するシーンはほとんどなかった。それがゲームプランだとすると、田中をこのポジションで無駄遣いする必要があったのだろうか。それが最大の疑問だ。

そんなわけで、今日のゲームで個人の評価をどうこう書いても仕方ないだろう。ゲームプランをどう立てて、そこにどう選手を当てはめたのか。片野坂監督のプランが体現できていなかったとすれば選手の問題とも言えるが、そもそもそこまで含めて監督の結果責任であるように思う。予算と選手層の厚みでは、横浜Mには遠く及ばない。それは途中から入ってくる選手のレベルからも明らかだ。だとすれば、雨中のゲームでの戦い方で凌ぐしかなかった。今日の結果を見ると、戦う前から負けていたという気がしてならない。