【ドラマ】フリーバッグ

英国のテレビドラマ「Fleabag」は、フィービー・ウォーラー・ブリッジの一人舞台をベースに作られたコメディ。フィービーが独白と台詞を演じ分ける表情やしぐさで怪演しており、エロもグロも何でもありのストーリーに最初はなじめないが、喉元を過ぎると一気に面白さがわかるようになる。主人公の姉クレアやその夫マーティン、オリビ・コールマンが演じる父の再婚相手など、わきを固めるキャラクターも個性が強く、エピソードが進むにつれて登場しただけで笑えるようになる。

米国ドラマで描かれる文化や風俗とは違う英国特有の宗教観や家族の行事、カフェ文化なども普段見慣れないだけに新鮮で、あらためて米国とは違うということに気づかされた。家族の結びつきがテーマになっているように感じられ、それが希薄になりつつある日本とは根本的に違うのだということを実感した。それらが堅苦しくなく、コメディとして描かれているのでわかりやすい。

音楽の使い方も効果的だが、同じ曲をしつこく聴かせてくるので、場合によっては嫌気がさしてしまうかもしれない。それほどまでに、メロディとストーリーを意図的に結び付けているということなのだろう。1話25分程度なので、長さとしても集中してみるにはちょうどよい。これが40分以上続いたら、飽きを通り越して嫌悪感が募ることだろう。