【映画】ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

ハリウッド版ゴジラの中で、ラドンモスラキングギドラまでが登場するというオールスター的な作品として制作された本作だが、キャストもオールスター感が満載だった。渡辺謙チャン・ツィイーはハリウッド映画の常連だが、僕にとってはドラマで見慣れた顔ぶれに注目した。「ベイツ・モーテル」のノーマと「ストレンジャー・シングス」のイレブンが母子というキャスティングに加え、モナークに関わるメンバーとして「シリコン・バレー」のリチャードと「9-1-1」のヘンが主要な役柄を演じ、敵側の親玉には「ゲーム・オブ・スローンズ」のタイウィン・ラニスターが登場。個性の強い俳優陣だけに、ここまで来ると学芸会的なノリにも見えてくる。

日本版と比べて、ハリウッド版ゴジラは前傾がきつい。いかにもスーツアクターが中に入っている感じがしてしまう二足歩行スタイルではなく、ジュラシック・パークのように恐竜の動きをベースにしたものが採用される。そのせいで日本版ゴジラの持つ人間味は薄れ、凶悪な印象になってしまうのは残念だ。同じ傾向はモスララドンにも見られるが、キングギドラは逆に不格好な造形でコミカルな印象すら受けた。

ストーリーはよく練られてはいるものの、ハリウッドにありがちな「頭でっかち」な作りになってしまい、いちいちロジックを確認するのは面倒臭さがある。もう少しシンプルな設定にしてくれた方が入り込みやすいし、時間も切り詰められるのではないだろうか。それによって、作品全体の良さが失われることもないだろう。