【映画】ヴェノム

この作品は、スパイダーマンではヒール役のヴェノムが主役となるが、なぜエディ・ブロックがヴェノムになったのかを解き明かす内容。その意味では、「ジョーカー」と同様のアプローチだと言えそうだ。ただ、本作はそこまで深みを持たせたものではなく、意思を持った生命体ヴェノムがエディと同化するヒューマン(?)なストーリーに仕立てられている。

エディ自身がどちらかといえば異端児であり、登場人物は軒並み感情移入しづらいタイプばかり。序盤を見る限り、興味が続くかどうか自信がなかったが、これが案外面白い。ヴェノムのスタンスが途中あら変わり、エディと妙な連帯感が生まれるあたりの展開が日本のヤクザ映画のようでもあり、居心地の悪さを感じないのだ。

エンドロールの後に出てくる映像では、この後の不穏な展開をほのめかす人物としてカーネイジが登場する。次回作があるのか、そこではマーベルのスーパーヒーローたちが登場するのかといった想像を膨らませることができるのは、なかなか洒落た小細工のように思えた。