【NHK あの試合をもう一度】バスケ強化試合 日本―ドイツ

2019年8月にさいたまスーパーアリーナで行われた日本とドイツの試合は、バスケ世界選手権に向けた強化試合の一環。八村も渡辺も馬場も、そして篠山も揃っていたので、本戦も含めてベストなコンディションだったのではないだろうか。

序盤はドイツの一方的なペースで、インサイドもアウトサイドもまったく形が作れなかった日本だが、徐々に勢いを増してゆく。バスケの試合ではたいてい2Qに主力を休ませることもあって、ハーフタイムを終えた3Qがターニングポイントになることが多い。ここから八村のパワフルなプレーが際立ち始め、渡辺がテクニカルなフィンガーロールを絡めたフックシュートを決めるとアリーナの雰囲気が変わった。

この試合の最大のポイントは、4点のビハインドで決めたファジーカスの3Pではなかったか。4Q終盤に来て、1点差と2点差では戦術もモチベーションもまったく異なる。これで1点差に詰めておいたおかげで、次のフリースローで同点、逆転というプロセスを踏めたことも、結果的には大きかったように思う。PG篠山が決めて差を広げた直後に馬場が無理をして八村のアリウープに通そうとしたのは大きな間違いだったが、ドイツもアウェイの強化試合でそこまで勝ち切るモチベーションもなかったのだろう。

生でも中継でもスポーツが見られないこの時期に、僕としては見ていなかったゲームを見ることができてうれしかった。こんなドラマティックなゲームを、生で見る感動を早く味わいたい。